番外編『ジョンの気持ち』 岬君が高校生で、南葛市にいる時。 ご主人様は、もう、滅多に私の頭を撫でては下さいません。
私は知っているのです。 寂しいのは、きっと、あなたなのだということを。
私は、ご主人様から言われているのです。 あなたの心の支えとなるように、と。 私の温もりは、ご主人様の不在という心の重みを抱える、 私には、ご主人様のような大きくて温かな手がありません。 それが悔しくて仕方ありません。 あの手さえあれば、あなたが時々私の前だけでこっそり、
私は、あなたの強さの中の儚さが愛おしいのです。 初めてあなたにお会いした時から。 あなたは大変ご立派になられましたが、あの、心の柔らかい、儚い部分だけは
寂しい時、お辛い時には私の所へ来て下さい。 私は、いつでもここでお待ちしておりますから。
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